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第二話 ③

Auteur: 上守葉
last update Date de publication: 2025-12-07 19:00:45

「ハル。いい加減ソイツをちゃんと躾けろ。はしたない」

「もう諦めてんだ、こっちは」

「ちょっと、酷くない!?」

 ハル。

 先生に負けず劣らず、若い小麦のような髪色に土のような肌をしている、この帝都では異質の風貌の男。

 彼は和穗の灯守とうもりであり、異国人との混血であるらしい。

 喋る言葉は完全に日本人のそれであるのに、ハルもまた外見だけで損をしている者だ。

 ──だけでなく、俺は未だにアイツの本名をきちんと発音出来ない。

 ハルも「ハルでいい」と言うからそのままにしているが、そろそろ本名の方を忘れてしまいそうだ。

 ハルとは俺が明神家に連れてこられてからの付き合いで、それももう10年になる。

 それだけの年月を一緒に過ごしているというのに、正しく名前を発音出来ないというのも、恥だろう。

「ハル……ふあ、はるは……うーん」

「どしたのお兄ちゃん」

「いや、やはり発音が難しい名だと改めて思って」

「今更じゃん?」

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    「ほい、集中してない」「ぐっ!」 ガァンッ 木刀がぶつかり合っただけなのに、鉛のように重いものが落ちてきたように錯覚する一撃。 ほんの一瞬意識をそらした瞬間に打ち込まれたソレを、真正面から受けてしまった。 両手で持っていた木刀は半ばから折れ、ビリビリとした痺れに残った半分も取り落としてしまう。 俺が和穗を傷つけた夜から、丸一日が経過した。 あの後俺は何も言うことが出来なくなってしまって、和穗の消耗も考えて場がお開きになったのだ。 本当は色々と話すべきだったし、話を聞くべきだったというの

  • 灯火の番   第八話 ②

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